王家から庶民へ

婚約指輪としての指輪は数百年の間、王族や貴族間で権力と身分の証として使われる他、家と家の結び付きを象徴するものとして利用されるだけで、一般市民まではなかなか普及しませんでした。
ようやく市民の間でも婚約指輪として広まったのは19世紀に入ってからです。

今でこそキリスト教式結婚式には欠かせないアイテムになっていますが、始まりは古代ローマに古くから伝わる神話からつながるものであったり、古代エジプトの神秘主義からくるものであったりしたため、保守的なカトリック教会では一切指輪を認めない時代が続きました。
しかしながら細工技術やダイヤモンドの研磨技術は婚約指輪の普及に大きな影響を与えていました。
時代と共に少しずつ市民の生活が豊かになるにつれ、指輪も広まりはじめていました。
9世紀に入って婚約指輪と共に結婚指輪も広まりはじめていましたが、裕福な市民の間で使われる程度で、指輪はまだまだ高価だったのです。

11世紀に入りキリスト教会でようやく結婚指輪および婚約指輪が公認されるようになると、結婚式にも堂々と指輪交換がされ始めますが、一般化したのは19世紀に産業革命が起こり、市民の生活がこれまでにないほど豊かになってきた事によります。